パワハラ、過重労働、人間関係…
社会で生きていく中で、私たちは多くのストレスに晒されています。
とくに「心が折れそう」「何もかも投げ出したい」と感じるほどのダメージを受けたとき、最も身近で効果的なセルフケアの手段があるのをご存知ですか?
それが――筋トレです!
最近では「筋トレはメンタルに良い」とよく言われるようになりましたが、それは単なる流行りや精神論ではありません!!
実際に世界中の研究者たちが、筋力トレーニングがうつ・不安・ストレスに良い影響を与えることを科学的に証明しているのです。

筋トレなんてただ辛いだけでしょ。
そんなんやりたくないですよ。
そもそも、時間ないし…

おっしゃる通り。
しかし、筋トレは、その辛さを飲み込んででも、時間をかけてでも行う価値がある、素晴らしい行為なのです!
拙者は、筋トレを行うようになってから
- 小さなことでクヨクヨすることが少なくなった
- 仕事中も闘争心を持ち取り組めるようになった
- 苦しい時に、あと一歩頑張れる精神が身についた
- 単純に筋肉がついて、自分に自信が持てるようになった
↑なんとなく、上記のような感覚が身についたと意識しており、日々精力的に毎日を過ごせるようになったと感じています!
今回は、筋トレを科学的根拠に基づき紐解いていき、筋トレが心身に与える効果をご紹介していこうと思います!
それでは、今回も拙者の苦しい経験を思い出しながら、行ってみましょう😂
筋トレがメンタルに与える科学的効果5選!

筋トレには、主に以下のような効果があります。
- うつ症状を改善する
- ストレス耐性の向上
- 自己肯定感を高める
- 睡眠の質向上
- 認知機能の向上
ざっと挙げただけでも、これほどの効果があるのですね!
詳しく研究を見てみると、もっとたくさんの効果があるのですが、まずは身近な効果があるものをピックアップしてみていきましょう!
うつ症状の改善
2018年、オーストラリア・シドニー大学のBrett Gordon氏らの研究で、「週2〜3回の筋トレを行うことで、うつ症状が平均22%軽減された」「年齢・性別・健康状態を問わず効果がある」という結果が示されました。

この研究では、「誰でも、いつからでも、筋トレでメンタルを改善できる」ということがわかったのです!
人生、遅すぎるということはないんですよね。
今が人生で一番若い日です!
この研究の他にも
- 筋トレは、幸福ホルモン(セロトニン、ドーパミン、ノルアドレナリン)の分泌を促進。
これらは抗うつ薬のターゲットでもあり、気分の安定ややる気の向上に関与。 - ジムや運動コミュニティに属することで、社会的なつながりや会話が生まれる。
これは「社会的支援」と呼ばれ、うつ症状を和らげる重要な保護因子。
という研究結果もあるのです。

うつ症状がある時、身体を動かすこと自体がつらいですよね…
ですが、「たった1セットでもいい」「部屋で腕立て1回でもいい」という小さな一歩を始めるだけで、脳と心は少しずつ変わり始めます。
ストレス耐性の向上

2017年、ハーバード大学医学部の研究で「筋トレを習慣的に行うことで、ストレスホルモン(コルチゾール)の分泌が安定し、精神的な耐性が高まる」ことが分かっています。
そのほかの研究でも
- 筋トレは一時的にストレスホルモン(コルチゾール)が上昇するが、長期的には分泌の安定化と耐性を促進する。
- 筋トレは交感神経を一時的に活性化するが、終わった後に副交感神経(リラックス神経)が優位になりやすくなる。
これが繰り返されることで、自律神経の「切り替え力」が向上=ストレス対処力アップ。 - 筋トレの小さな成功体験が「やればできる」という感覚(自己肯定感)を育てる。
などの効果が研究で示されています。

筋トレをしていると、一時的にとてもストレスフルな状態に置かれます。
これに対して、1回1回、1セット1セット、一歩ずつ進めることによって、「ストレスに打ち勝つ自分」が形成されていきます。
その積み重ねが、ストレス耐性となり、どんな困難をも跳ね返す力となるのですね!
自己肯定感を高める
2015年、アメリカ心理学会の研究で、「筋トレを行う人は自己評価が高く、自己効力感(self-efficacy)も強いこと」が示されています。
そのほかの研究もたくさんあって…
筋トレは「達成可能な成功体験」の連続
📚 Albert Bandura (1997). Self-Efficacy: The Exercise of Control
- 初心者でも重量や回数の記録が伸びやすく、自分の成長を実感しやすい。
- 「やればできる」という体験が、**自己効力感(self-efficacy)**につながる。
「成功体験」は自己効力感を高め、自己評価を強化する。
ボディイメージが良くなると自己肯定感も上がる
📚 Hausenblas & Fallon, 2006
- 筋トレによって姿勢や体型が改善し、鏡に映る自分にポジティブな感情を持ちやすくなる。
- 特に男性は筋肉量の増加、女性は引き締まった体が、理想自己との一致感を生み、自己肯定感を高めます。
運動によってポジティブなボディイメージが形成され、自己肯定感と相関があることを実証。

個人的には、ここの部分が最も大事なポイントだと考えています!
筋トレを継続していくと、本当に体つきが変わってきます。
筋トレの魅力は、その効果が目に見えてわかりやすいところなんですよね!
また、物理的に強くなった気がします(笑)
パワハラ上司になんか言われても、「拙者の方が強いでござるよ?」といつでも叩き斬ることができる気持ちが身につくのが、個人的には多かったです笑
睡眠の質向上

これは安易に想像がつくと思いますが、筋トレをすると疲れて物理的に眠くりますよね。
でも、そんな簡単な話ではないんです!
これもさまざまな研究により、科学的に証明されていて
「運動によるセロトニン神経の活性化」
📚 Young (2007), Neuropsychopharmacology
- 筋トレ後、ストレスホルモンであるコルチゾールの分泌が抑えられ、幸福ホルモンであるセロトニンが増加する。
- セロトニンは夜になると睡眠ホルモン「メラトニン」に変化。
- 結果として、自然な眠気・深い眠りを促進します。
「運動によるセロトニン神経の活性化」が、うつ症状の緩和・睡眠改善に役立つことを報告。
筋トレは交感神経を一時的に活性化させますが、その反動で副交感神経(リラックス系)が優位になります。
📚 Kline et al. (2011)
これが睡眠に適した状態を作る。
8週間のレジスタンストレーニングにより、不眠症の被験者の睡眠効率と睡眠潜時が改善された。

ただ疲れて眠くなるって思っていたけど、ホルモンや神経が関係していたんですね!
運動と睡眠は切り離せない関係にあるようです。
認知機能の向上

頭がいい人って、運動神経もいい場合が多いこと、皆様ご存知ですか?
バリバリ仕事ができるビジネスマンや敏腕社長なども、趣味は筋トレで、マッチョな人が多いイメージありませんか?
これって、正解なんです。
今回は、これを科学的に証明した研究をいくつか紹介します。
BDNF(脳由来神経栄養因子)の増加
BDNFは「脳の肥料」とも呼ばれ、記憶・学習・神経細胞の可塑性(柔軟性)を高める物質です。
📚 Cassilhas et al. (2007), Neuroscience
- 高齢者62名を対象に、24週間の中強度および高強度のレジスタンストレーニングを実施。
- トレーニング後、BDNFレベルの有意な増加が確認され、記憶力や実行機能の改善が見られました
前頭前野の機能向上
前頭前野はワーキングメモリ・計画・注意・判断など高次の認知を司る領域。
- 65〜75歳の女性155名を対象に、週1回または週2回のレジスタンストレーニングを12か月間実施。
- 実行機能の評価としてストループテストを使用し、選択的注意と葛藤解決能力の向上を確認。
- トレーニング群では、ストループテストのパフォーマンスが12.6%(週1回)および10.9%(週2回)改善し、対照群では0.5%の低下が見られました。
この結果により、筋トレが前頭前野の機能を高め、実行機能を改善する可能性があることが示唆されました。
📚 **Liu-Ambrose et al. (2010), Archives of Internal Medicine
科学的に正しい「時間・頻度継続期間:8週間〜12週間で効果が出始める・期間」の目安を解説!

筋トレがうつ、不安、ストレスの軽減など様々なメリットがあることがわかりました!
では、「どれくらいのペース」で筋トレすれば、このメリットを得られるのでしょうか?
ここでは、論文や専門家の見解をもとに、メンタル改善に効果的な筋トレの具体的な方法を解説します。
時間:1回あたり45分前後が理想
2018年、オーストラリア・ビクトリア大学の研究で、1回の筋トレの時間とメンタル効果の相関が明らかにされました。
うつ症状軽減に有効な筋トレプログラムを分析した結果、特に注目されたのは、「1回あたり45分前後」の筋トレが、うつ症状の改善に特に効果的とされたという点です。

とはいえ、初心者は20分〜30分程度から始めても十分効果はあります。
無理に長時間やる必要はなく、まずはDo it、やってみる一歩が最重要です。

おい市之丞、思いつきで言ってんじゃねぇよ!

いえいえ、これもちゃんとした根拠、研究があるのですよ。
20〜30分で十分な神経系刺激と心理的充足感が得られる
Petruzzello et al., 1991, Health Psychology
1991年の研究で明らかになっています!
頻度:週2〜3回がもっとも効果的
同じく、オーストラリア・ビクトリア大学の研究で、「週2〜3回の筋トレを8週間以上継続した被験者に、明確なうつ症状の軽減が見られた」と示されています。
これには脳と身体の回復プロセスに関係しています。
- 筋トレ後、筋肉だけでなく神経系やホルモンバランスも回復が必要
- 特に「セロトニン」や「BDNF(脳由来神経栄養因子)」の増加には48〜72時間の回復時間が効果的
であることが研究で示されています。
さらに面白い研究があって
2020年のカナダ・トロント大学の研究でも「週3回の筋トレグループは週1回・週5回のグループよりも、不安スコアの改善が最も高かった。」と示されているのです。

つまり、やりすぎは禁物ということ。
週2〜3回くらいが適度であり最も効果的だということですね!
継続期間:8週間〜12週間で効果が出始める
多くの臨床研究で共通するのは、最低でも8週間継続しないと明確なメンタル効果は見えにくいという点です。
ただし、始めて1〜2週間でも「気分がスッキリした」「不安が減った」と感じる人も多いです。

これは、筋トレをするとドーパミンやセロトニンが分泌される影響で、このような感情が表現されるようです!
習慣化には、週3回以上行動することが、人間の習慣化に最も効果的であることも研究で証明されています。
まとめ
筋トレは、メンタルを強くするための「習慣的な投資」です。
完璧にやる必要はありません。
1日10分、週2回からでもOK。
筋トレを続けることで、自信・ストレス耐性・自己肯定感が少しずつ育っていきます。
うつ症状がある時、身体を動かすこと自体がつらいかもしれません。
拙者もうつ病経験者であるため、痛いほどわかります…
ですが、「たった1セットでもいい」「部屋で腕立て1回でもいい」、まずは小さな一歩を始めるだけで、脳と心と体は少しずつ変わり始めます。
「心がつらい」なら、まずは体から整えてみませんか?
市之丞からのメッセージ
以上、最後までご覧いただき誠にありがとうございます。
本ブログでは、パワハラを受け一時は休職に追い込まれた拙者の苦い体験談をふんだんに紹介しています。
憎きパワハラ上司に下剋上するため、徹底した自己啓発を行い、メンタル強化のためのトレーニングをして、論破できるための戦う心理学を学んできました。
その上で、読者の皆様に「パワハラに負けないメンタル必勝法」と「戦う心理学」を伝授し、今よりもより良い人生を歩んでいただくことを目的として、当ブログを運営しております。
今、辛い毎日を送っている方へ。
あなたは一人ではありません。
拙者も、今でも日々パワハラを受けている身…
少しでも読者の皆様の心が軽くなり、前向きになれるヒントをお届けできれば幸いです。

地獄を通っているなら、そのまま進め。(イギリス元首相ウィンストン・チャーチル)
苦しいときは止まってはいけない。
進み続けることでしか抜け出せない。
一歩ずつでも、今を抜け出す強さを。
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